レーザー脱毛機Elite+(米国Cynosure社)を新規導入しました。 (2019-07-14)

このたび脱毛用のレーザーを最新型に更新しました。
今回導入したのはアレキサンドライト(755nm)とヤグ(1064nm)の2つの波長が発振可能なElite+(米国Cynosure社)という機器です。

Cynosure社は今から約20数年前の日本における第一次脱毛ブームの立役者となったアレキサンドライトレーザーの歴史的名機LPIRを開発した老舗メーカーです。

従来からの脱毛レーザーはアレキサンドライトを光源とするものが主流でしたが、これは毛幹に存在するメラニンに反応させて熱を発生させる(要するに昔からある針脱毛の針の役目を毛幹にさせる)というもので、色素の強い部位(例えばVIOのIO部分や乳輪部)に照射する場合は皮膚のメラニンにも強く反応してしまうため、安全に治療する事が困難でした。

またアレキサンドライトレーザーの755nmという短い波長では、毛幹が垂直方向にかつ真皮の深い部位まで存在している男性ヒゲやVIOのI部分や上背部などは十分にレーザー光が到達せず(波長は長いほど深部まで到達します)、治療によって創傷治癒機転を刺激してしまってかえって治療部位の剛毛化を起こしてしまう例も少なくありませんでした。

この問題を解決するために搭載された第2の波長がヤグ(1064nm)なのです。従来から主に男性ヒゲ用にヤグ単体の脱毛レーザーは存在していました。しかし近年まではそれほど需要としては多くなく、一部の施設にしか存在していませんでしたがその歴史は古く経験上からも治療効果という点では既に確立されたものでした。

最近の日本は第2次脱毛ブームの到来かと言われています。女性がワキや腕脚を脱毛するのは既に常識となった時代、新しく注目されているのが「介護脱毛」と呼ばれているVIO脱毛と、男性ヒゲの脱毛です。美容のためや異性に良く見られたいためでなく、人生100年時代でもし自身の身に介護が必要となった場合、なるべく介護者への負担を減らしておきたいという目的で行う脱毛です。

寝たきりやそれに近い方の介護を実際に行った事があればすぐに想像ができると思いますが、成人のおむつ交換は赤ちゃんのそれとは全くかかる労力が違います。陰毛の存在は局所を清潔に保つためにかなりの負担となります。ヒゲ剃りも自分で鏡を見て毎朝するようには簡単にいきません。でも元気な時と同じように伸びて剃ってもらう必要があります。誰もが無精ヒゲが伸びたままで人生の最後は迎えたくないと思います。

平成から令和に変わって脱毛という医療行為の考え方やニーズも変化の兆しをみせつつあります。当クリニックにおいてもレーザー専門医という立場から、この変化に適切に対応しつつ今後ともより良い医療を提供していきたいと考えております。

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