新型コロナウイルス騒動の早期解決を願って・・・ (2020-03-09)

このブログを読んでいただいている皆様はお元気でお過ごしでしょうか?
 
 新型コロナウイルス騒動の影響で、私も2月21日に開催された「日本性感染症学会九州沖縄支部総会」を最後に、全ての学会・研究会が中止となってしまい何となく自粛ムードというかいまひとつ元気が出ない状態(健康ですが)で毎日を過ごしています。

 クリニックはおかげさまでそれほど患者様の減少などの影響は今のところ出ておりませんが、飲食業や旅行業や娯楽施設などはたいへんな状況とうかがっております。この問題が長期化すればほとんどの業種で多大な影響が出る事は避けられそうにありません。一刻も早い事態の鎮静化を祈るばかりです。

 呼吸器疾患や感染症の専門家ではありませんので詳細に踏み込んで論ずることは避けますが、このウイルスは風邪と同じ飛沫感染とされています。ですから最も大切な事は汚染された手指で顔(目鼻口の粘膜部)を決して触らない事に尽きます。顔を触る前には必ず手洗いをするという習慣を身に着けていただければ感染はほぼ防ぐ事が可能です。

 マスク不足が連日ニュースでとりあげられていますが、マスクは感染者が飛沫を飛散させるのを防ぐのに使うもので、健常者が使う事によって感染を防御する機能は期待できません。マスクに使用される不織布の繊維よりもはるかに小さなウイルスは簡単に通過してしまいます。ですからマスク不足は必要以上に心配する必要はありません。

 大切なのは不特定多数の人が触る公共機関の手すりやドアノブや電車のつり革などを触った後にそのまま決して顔や自分のスマホを触らないという事を徹底してください。手洗いをきちんとするまで顔に触れないだけでかなり防御できるはずです。

 外出の自粛は間違いではありませんが、自粛はあくまでも多人数が集まるイベント会場などの密集空間や換気の良くない個室空間です。普通の小規模な飲食店のカウンターやテーブル席などまで過剰に怖がる必要はないと思いますし、そのくらいはストレス発散しないと気が滅入ってしまいます。

 もちろん込み合った状態の居酒屋とか、大声で口角泡を飛ばしながら話している酔っ払いのおじさまたちのテーブル近くは危険度が増しますので避けないといけません。それとお店がきちんとお客さんの帰った後にテーブルやメニューをアルコール消毒でふき取っているかは確認した方が良いと思います。外食は問題ないですが「お店の清潔確保の意識の高さを見極める」事は重要ポイントと思います。

 それと意外と高級店でも良く見受けられるのですが、調理用の箸やスプーンで味見をしてからまた調理中の鍋に戻す行為を平気でおこなう料理人のお店は、コロナ騒動の起きる前から基本的な衛生観念が欠如したお店と判断して私は避けるようにしています。それから従業員が手渡しで「おしぼり」を渡すお店も失格と思います。もちろん自衛手段として食事前の手洗いは必須です。

 どこにも出かけない事による抑うつ状態は免疫力も弱めてしまいます。その他にも屋外の散歩など安全に気分転換を図ることは悪くないと思います。もちろん食事前や帰宅後はきちんと手洗いを行い、着用していた服はリビングなどの生活空間には持ち込まず他の部屋で保管するあるいはクリーニングを行うなどは注意が必要です。

 若い方でジーンズなどを連日穿く方もいると思いますが、電車やバスや飲食店の椅子などに座ったものは必ず洗濯するという習慣を心がけ、可能な限りハイター(次亜塩素酸)などで処理をすると予防に有効と考えられます。

 過度な自粛ムードは日本経済にも多大な影響をもたらし、今回の騒動が沈静化した後まで長期間にわたり大きな傷跡を社会に残してしまいます。大切な事は正確な知識を持って正しく怖がり、そして論理的に行動してこの難局を乗り切ることだと考えます。

 皮肉にもこの騒動が起きてから季節性インフルエンザの患者数が激減したという事実から日本人全体の公衆衛生に関する意識がかなり高まったことが推測されます。もともと「きれい好き」で「秩序を重んじる」国民性を発揮して、今後も高い意識を維持しつつ今回の騒動も早期に終息させうる事を切に願ってやみません
 

←新しい記事へ ↑一覧へ 以前の記事へ→

薬院高橋皮ふ科クリニック 福岡市中央区薬院1-5-11 薬院ヒルズビル2F 092-737-1881