私はコロナのどこが怖いと感じているのか (2021-01-18)

私はコロナのどこが怖いと感じているのか

 私は内科医でも感染症の専門家でもないので、あくまでも一般の医療人の個人的な考えとして理解していただきたいのですが、私は現在の新型コロナウイルスに感染症としての恐怖はあまり感じておりません。

 もちろん今後どのような変異株が出現するか想定不可能ですのであくまでも現時点に限ってではありますが、現状の個人的なランク付けで言ったらインフルエンザよりちょっと厄介かもといった感じです。厄介な理由も2類相当に分類されているので感染したら行動制限を受けてしまうという症状以外の点においてです。

 しかし疾患としては怖くなくても私はこのウイルスの存在を昨年の「緊急事態宣言」の後くらいからかなり恐れるようになりました。それはこのウイルスが人間性を奪う存在であるからです。最初の「緊急事態宣言」の後からアナウンスされた「新しい生活様式」というものをみなさんはどのように感じたでしょうか?

 ソーシャルディスタンス・握手等とにかく他人に触れたらダメ・飛沫が飛ぶので会話はマスク着用しかも短時間・宴会やカラオクなどで騒ぐなどはもってのほか!等々・・・これって人間らしく生きていくために最も必要な人と人との触れ合い、face to face で五感を駆使した繋がりを構築させてくれないという事に他なりません。たとえ病気では殺さなくても全ての人間に社会的に極めて大きなストレスとダメージを与える存在であるという事実に気づいた時にこのウイルスを怖いと初めて感じました。

 このウイルスの特徴である①潜伏期間が長い②感染しても無症候の場合も多い③発症前の無症候期間であっても感染性を有するという特性がまさに曲者だったという訳です。ウイルスというものは病原性の強弱だけでは判断できない側面があるという事をまさに思い知らされたという思いです。

 とにかく今は少しでも早く、以前のようなマスク不要でみんなとワイワイ飲んで騒げる「普通の生活」に戻れることを心から願っています。

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