コロナ騒動について今思う事 (2020-04-28)

 みなさん今年のGWは自粛ムードの中「STAY HOME」で過ごされている事と思います。せっかく気候に恵まれたこの季節に身動きが取れないのは非常に残念ですが、緊急事態宣言の下では仕方ありませんので今年は頑張りましょう。

 ところでここ数日「緊急事態宣言が延長される可能性が濃厚」といった報道が出始めていますが皆さんはどのようにお考えでしょうか?まだ自粛生活に耐えられますか?精神的なストレス以外に経済的な部分においてもまだ耐えられそうでしょうか?

 実際のところ今回の新型コロナウイルスはどれくらい恐ろしい存在なのでしょうか?もちろん著名な芸能人の方の訃報に触れると誰もが他人事でなく怖いと感じるでしょうし、身近な知り合いの方が不幸にも罹患されたらその恐怖は容易に想像されます「怖い」です。

 しかし冷静に分析すると「マスコミは連日煽り過ぎなのでは?」という感じも否めません。
①スタンフォード大学がカリフォルニア州サンタクララ郡で抗体検査を行った結果は抗体保有率2.5~4.2%であり公表された感染者の50~85倍。
②南カリフォルニア大学の研究による抗体保有率は4.1%であり患者数8000人に対して感染者数220,100~440,200人と推定。
③ニューヨーク州の3000人の検体検査では抗体保有率14%で、患者数263,400人に対しての感染者数は2,700,000人。

 つまりどのデータを選んだとしても日本における把握されている感染者はまさに「氷山の一角」にも満たない程度であり、実際は1,000,000~3,000,000人の感染者が存在するのではないかと考えられます。ただし人口の60%程度が陽性になるという集団免疫状況にはほど遠く、ワクチンが開発されないかぎり第2第3の波が到来すると予測されます。

 しかし日本の感染者は本日(4月28日)現在13,300人・死亡者351人で致死率は2.6%と公表されていますが、実際の感染者が50倍~85倍存在するというデータを当てはめるとその致死率は0.03~0.05%ということになり、インフルエンザの致死率0.001%(70歳以上では0.03%)に比べたら高いのは事実ですが「凶悪な殺人ウイルス」と表現されるレベルではないと推測されます。

 またこれだけ多くの無症候感染者が隠れているとするなら、院内感染予防など不可能であると最初から割り切って考えた方が良いかもしれません。発熱も風邪症状もない健康な人がウイルスを運び入れてしまうとしたら「発熱外来」や「トリアージ」など全く意味をなさない事になってしまいます。感染者がひとりでも出たら診療がストップしてしまう現状では近い将来「医療崩壊」が起こるのは必須ですし、医療従事者が受けるストレスも長期戦になるにともなって許容範囲を超えてしまうと容易に想像できます。

 ワクチンや治療薬、そして集団免疫状況が確立されるまでは第2第3の波が訪れるのは想定内で「インフルエンザより少し手強い存在」程度に位置付けて、高齢者や基礎疾患を持つハイリスクグループ以外の健康人や若年者は、早期に通常の社会生活に戻した方が良いのではと個人的には考えます。

 毎日ライブ配信されている東京都知事に「命の問題」と連呼されてしまうと、その命を預からせていただく立場の医師としてなかなか言いにくい事ではありますが、このまま日本政府の脆弱な企業支援体制で自粛を継続した場合、殆どの中小企業のうち半数が約11か月程度で倒産の危機に見舞われ、失業率が20%程度に達するというシミュレーションがあります。加えて失業率が1%上がる毎に10万人当たり25人の自殺者生まれるという過去のデータもあります。

 過剰な自粛に伴う経済的な困窮が自殺につながってしまうという事実から「命か経済か」ではなく経済を守ることも命を守ることと私は考えます。かつてスペイン風邪が流行した時代の日本人の平均寿命は45歳程度でありなかでも若い方が大勢亡くなりましたが、今回は重症化しているのは高齢者と基礎疾患を持つ方々です。あえて誤解を恐れずに言わせていただければそこにまだ救いがあるというか、つまり労働人口が減少して国が滅んでしまうような疫病ではないという事実が存在します。

 今の日本がいちばん失ってはいけないものは、今後の国家を支える若い力です。過剰な自粛を「命か経済か」という錦の御旗を振りかざして無策なままに継続することにより、「就職氷河期の再来」や「景気後退による失業」などで将来を担う若者を経済的な困窮に追い込んで死なせてしまっては取り返しのつかない事になってしまいます。ウイルス感染による死者を若く可能性のある自殺者が超えてしまうような事態は絶対に避けなければなりません。

 現在の私が危惧していることを思いつくまま書かせていただきました。文中に不適切あるいは不快に思われる表現がございましたらご容赦くださいますようお願い申し上げます。

 毎日自宅から出かけずに長時間過ごさなければならないストレスからか、自粛が足りない店や県外ナンバーの車両に張り紙をして回る「自粛警察」なる人たちも現れて世の中のギスギスした感じが顕著になりつつあり、そろそろ「我慢強い日本人」も限界が近いのかなと感じられる昨今ではありますが、とりあえず決められた5月6日までは節度を保って過ごすようにお互い頑張りましょう。

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